2025/11/29 19:40
ホルニストのためのレシピ主宰の権左勇一です。
先日発表した、レシピ連動楽曲プロジェクト第一弾『風が生まれるとき』。
おかげさまで多くの反響をいただいています。
「練習曲なのに、吹いていて涙が出そうになった」
「ピアノ伴奏があるだけでこんなに自然に身体が動くなんて」
そんな声をいただくたび、私がずっと感じていた「練習は孤独で苦しいもの」という常識が、音を立てて崩れていくのを感じています。
レシピで「身体の機能」を整え、楽曲で「音楽」として定着させる。
この新しいシステムが、みなさんのホルン人生における強力な武器になることを確信しました。
そして本日。
そのプロジェクトの第2弾となる新作を発表します。
今回のテーマは、ホルニストにとって永遠の課題とも言える「なめらかさ(レガート)」です。
力任せの演奏に、さよならを。
みなさんは音と音をつなぐとき(スラーやレガート)、無意識にこんなことをしていませんか?
• 音を変える瞬間に、息を「ふんっ!」と押し込んでしまう。
• 高い音に上がるために、マウスピースを唇に押し付ける。
• その結果、音が階段のように凸凹したり、狙っていない倍音が鳴ってしまったりする。
「もっと歌って!」「なめらかに!」と言われるほど力んでしまい泥沼にはまる……。
これは「息の勢い」で音を変えようとしてしまっていることが最大の原因です。
この悪循環を断ち切るために設計されたのが、レシピ「Op.5 音と音をなめらかにつなげる音づくり」でした。
このレシピの核心は、「息の量は変えずに、アパチュア(唇の穴)の柔軟な動きだけで音を変える」という、非常に繊細なコントロール技術の習得にあります。
しかし、この「繊細なアパチュア操作」こそ楽曲の中で実践するのが最も難しい技術でもあります。
なぜなら曲になるとつい感情が入り、息で音を押してしまいがちだからです。
そこでこの繊細な感覚を「音楽」の中で守り抜き、定着させるために生まれたのが今回の楽曲です。
MW.5『星のない夜に』-Op.5 音と音をなめらかにつなげる息づくりのためのファンタジア-
今回の楽曲もユーフォニアム奏者であり作曲家の石倉雄太氏との「共同設計」によって生まれました。
私が彼にリクエストしたことは、たった一つ。
「Op.5で得た『繊細なアパチュアの動き』がないと、美しく吹けない曲にしてほしい」
ということ。
そうして彼が書き下ろしてくれたのは、前作『風が生まれるとき』の爽やかな疾走感とは対極にある、静けさに満ちたアダージョでした。
なぜ、静かな曲なのか?
この曲は星も見えない暗い夜をイメージして書かれています。
ゆったりとしたテンポ(Adagio)の中で、隣り合う音へ、そっと足を踏み出すように移っていく。
派手な動きで誤魔化すことはできません。
この「静けさ」と「遅さ」こそが、この曲の最大のポイントです。速いパッセージでは勢いで過ぎ去ってしまう「音と音のつなぎ目」。
そこにじっくりと向き合い、息の流れを一定に保ったまま、唇(アパチュア)だけが柔軟に変化して音色が変わっていく快感。
それを体感できたとき、あなたの音は単なる「音響」から、人の心に触れる「歌」へと変わります。
孤独な練習から、共演する喜びへ
今回ももちろんピアノ演奏音源が付属しています。
一人でメトロノームと向き合う基礎練習は、どうしても身体が固くなりがちだし作業にもなりがちです。
しかし美しいピアノの和声に包まれて演奏するとき、人は自然と耳を使い、身体の余計な力が抜けていきます。
「星のない夜」に、あなただけの音の光を灯すように。
ピアノと対話しながら、Op.5の技術をあなたの身体に染み込ませてください。
今日から、レパートリーに加えよう
「基礎練習」と「曲の練習」を分ける必要はもうありません。
この曲を奏でること自体が最高の基礎練習であり、同時に素晴らしい音楽体験になります。
「Op.5 音と音をなめらかにつなげる音づくり」で唇の微細な使い方を学び、『星のない夜に』でその感覚を音楽に昇華させる。
このセットでの体験があなたの「レガート」の概念を書き換えるはずです。
ぜひ体験してみてください。
【新発売】MW.5『星のない夜に』
(ホルン・ソロ譜 / ピアノ譜付スコア / ピアノ演奏音源付き)
【連動レシピ】Op.5 音と音をなめらかにつなげる音づくり(まずはこちらで「アパチュア操作」の感覚を掴むことを強く推奨します)
※『風が生まれるとき』も引き続き好評発売中です。
「舌の操作(シラブル)」をマスターしたい方はこちら。


